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2006年11月 バックナンバー

2006年11月 9日

デニム工場(その1)

 津吉です。昨日はデニムの打ち合わせと勉強を兼ねて岡山と広島に行ってきました。岡山でご一緒させていただいたのは塚本さん。Americana、Cleveland、Sacramento、Lifelongなどうちの主なデニム、さらにコレクションからストリートまで、まさに様々なブランドのデニムを製作されている方です。日ごろから生地紹介や加工情報などいろいろとお世話になっており、ファンダメンタルの商品製作には欠かせない方です。


 さて朝大阪のラブ風ホテルを出発し、岡山についたのは11時。夕方には広島で次の打ち合わせがあったため、駆け足での工場巡りとなりました。


 ほとんど全ての洋服に言えることですが、洋服がひとつの工場で完成することはまずありません。工程の数だけ工場があるといってもいいかもしれません。デニムの場合は基本的に

「生地の裁断」 > 「縫製」 > 「副資材(ボタンやボタンホール、リベットなど)付け」 > 「アイロンプレス」

という流れになります。リメイク加工の場合はこの合間に破き、擦り、染め、刺繍、洗いや、焼き、形状記憶加工など様々な工程が追加され、そして繰り返されます。


 まずは次の企画のため生地問屋にお邪魔しました。

生地
ほとんど全ての生地がデニムです。それぞれ「ノンウォッシュ・ワンウォッシュ・薬品洗い」のサンプルが1セットになっているのですが、どのような加工を施すかによって最終的な表情は全く異なってきます。それがどのようなものになるのかは、長年の経験や勘が必要となります。そこで塚本さんと問屋の担当者さんに目指す風合いや色・用途など伝え、生地を絞り込んでいただき、その後加工方法など踏まえて、生地を選定していきます。

生地2
最終的に選んだ生地。パンツ、ジャケットに使用します。


 次に向かったのは縫製工場です。生地は裁断後、こちらに持ち込まれ縫い合わされます。ちょうどファンダメンタルの商品が流れていました。

SUNNYBANK
左は縫製済みのSUNNYBANK PANTS、右は縫製前のTOOWONG DENIM。

ポケット縫い
この道数十年の先輩方が分業し、パーツごとに縫製していきます。一人が1日で製作できるのはパンツで約8本程度とのことでした。


 その後、刷り工房へ。この工房の腕の良し悪しやセンスはデニムの表情を決めるのに特に重要な要素となります。

薬品刷り2
これは大股や膝、膝裏などのヒゲ加工に使う刷り版です。イメージに合わせて様々な版を職人さん自らが製作しています。それをデニムに履かせ、生地の表(または裏)から薬品を染み込ませた後、洗浄することでヒゲが表現されます。

薬品刷り
デザインによっては、このような染料や顔料を用いて汚れを表現していきます。


 長くなってしまいましたので、続きは次のブログに書かせていただきたいと思います。

2006年11月11日

デニム工場(その2)

 津吉です。前回の続きです。


 そして洗い場。業務用の大きな洗濯機や乾燥機、脱水機などが並んでいます。目指したい表情にあわせて、薬品や様々な大きさ・形の石をデニムと一緒に入れて洗います。

石
ストーンウォッシュに用いる石。

石2
ボールバイオ加工などに用いるボール。素材は様々です。

洗濯釜
業務用の洗濯釜です。ここに石やボールなどを入れて洗います。

脱水機
家族風呂のような巨大な脱水機です。

乾燥機
乾燥機です。これは年代物のため温度メーターは不調とのことでしたが、そこは勘で補完するものだとおっしゃっていました。担当は還暦を越えていると思われる方でしたが、その言葉には妙な説得力があります。


 加工場。ここはデニムに高速で砂を吹きつけ、太ももなどのアタリを出すサンドブラスト加工を行い、その後薬品を刷り込ませたり、顔料をスプレーで吹きつけ、全体のバランスを調整します。今回は先ほどの刷り工房でヒゲ刷りをしてもらっていた生デニムのサンプルを持ち込み、太ももと裾にサンドブラストをかけていただきました。膝下には先にピンを打ち、立体感のある表情を目指します。

ピン打ち
チョークなどで目印をつけ、手際よくピンを打ち込んでいきます。

ピン打ち2
ピンを打ち込んだあとの状態。

サンドブラスト

サンドブラスト2
サンドブラストは大量の砂が舞うためにこのような装備で作業を行います。

サンドブラスト3
サンドブラスト後のデニム。この状態ではまだ色のコントラストはわかりにくいですが、この後の薬品や洗い加工によって表情が浮き上がってきます。

サンドブラスト4
ピンを打った膝下部分の表情。最終的な完成品は近日中にご紹介できればと思います。

12月リリース予定のVictimとのWネームデニムは現在ここにあります。

Victimデニム
これらのデニムはこのあと洗い、汚し、リメイク加工などを数回経て店頭に並びます。

工場長
この加工場の工場長です。愛用のツナギはノンウォッシュの状態から、加工を一切することなく、ここまでの表情に育てたそうです。やはり本物に勝るものはないと実感しましたが、このようなリアルなものに囲まれて生活しているからこそ、目指せる作品があると思います。


 気がつけば15時を過ぎ、日も傾き始めていたので、広島県福山市に移動。お取引先のCommaさん、Irieさんにお邪魔させていただきました。

Irie
オーナーの大森さんとは年齢が同じで、電話ではついつい長話をしてしまう仲です。先日発売のサムライマガジンで掲載されているデニムは、彼が展開するThoroughly Denimとの共同製作商品です。広島は岡山と同じく縫製産業の盛んな地であり、彼のものづくりに対する厳しい姿勢は、僕にとってもかなりの刺激、そして勉強になると考え、今回のコラボレーションに至りました。福山ではThoroughly Denimを製作している工場を訪問し、担当の方とお話させていただきました。


 あっという間に時間は過ぎ、気がつけば東京に戻る新幹線の終電が迫っていたため、やはり駆け足で駅へと急ぎました。


 東京に着いたのは23時。徹夜明けで関西入りし、3時間睡眠で中国入りしたにも関わらず、その足で中目黒に移動。秋田県Box-ingの誉田さん、Programの品川さん、Fithronの神本君と合流。

いろは寿司
お決まりのいろは寿司で締めとなりました。